自民党の『民主批判アニメ』に失笑

　21日に衆院が解散され、選挙ムード一色の中、自民党が作ったネットCM・俗に言う『民主批判アニメ』が話題となっている。早速昨日、youtubeで観て見たところこれがある意味、余にもアレな感じなので是非とも当ブログで取り上げなければと思い立った次第である。

　このアニメCM、正式名称は”【自民党ネットCM】プロポーズ篇”と言うらしく、「LDPchannel」という自民党のyoutube公式チャンネルにアップロードされている数あるネットCMの中で、唯一のアニメ作品である。ま、それはともかく肝心の本編であるが、

夜景の美しい都心を展望するレストランの一席。画面の中央奥にさりげなく国会議事堂を配置している構図が美しい。シンメトリーだと単調だが、画面左に植木と照明のアクセントを置くことで画面全体に締りを与えている。上手い演出だ。

何処をどう見ても明らかに鳩山由紀夫代表と思われる男が、女にプロポーズの台詞を言う。
男「ボクの方がキミを幸せにできる。ボクに交代してみないか？バラ色の人生が待っているよ。出産や子育ての費用も教育費も、老後の生活費も介護の費用も、ボクに任せれば全部ＯＫさ！高速道路も乗り放題だよ！」

女「お金は大丈夫？」 と露骨にいやそうな表情を見せる女。じゃあ何でそもそもこの男とレストランに行く事を承諾したのか、と言う疑問は残るがそれはさておき、

男「細かいことは結婚してから考えるよ！」と身を乗り出して女に決断を迫る。女「えぇぇぇ？？？」

ナレーション「根拠のない自信に人生を預けられますか？根拠がある。自民党」

　内容は噴飯モノだが、ある意味非常に良く出来たアニメCMである。ファーストショットとラストショットの、引きのレストラン席のカットの中央遠くの背景として国会議事堂を鎮座させているところが、「政権与党である自民党の偉大性」と「国会議事堂の神性・厳粛性」を象徴し、それが益々鳩山由紀夫代表（似）の饒舌さを軽いものとして際立たせている。更に、鳩山由紀夫代表（似）が微妙にカメラに対して上目遣いであるところが、この男の詐欺性と軽薄性を殊更強調することに成功している。対してそれに疑問を呈する女はカメラ目線で、女の誠実性と正当性を描写していると言えよう。

　この件を取り扱った新聞記事を引用したい。

”民主批判アニメ、ユーチューブでアクセス殺到”
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin2009/news1/20090724-OYT1T00019.htm
読売新聞　WEB版2009年7月24日

引用開始

　自民党の広報局は「民主党の政策には財源の裏付けがない」という批判のメッセージを込めたアニメＣＭ作品を制作、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で約１８万件のアクセスを数え、話題になっている。

　民主党の鳩山代表に似た男性がレストランで女性に「僕に交代してみないか。出産や子育ての費用も教育費も、老後の生活費も介護の費用も、僕に任せれば全部ＯＫさ」とプロポーズ。「お金は大丈夫？」とけげんそうに尋ねられ、「細かいことは結婚してから考えるよ」と押し切る内容だ。

　評判を呼んだことから、自民党広報局は第２弾のＣＭも検討している。

引用終わり

　話題になっているのはともかく、「評判を呼んだことから、自民党広報局は第２弾のＣＭも検討している」の部分に爆笑した。自民広報局の老人達は、このアニメCMを観て「なるほど」と視聴者が頷いたとでも思っているのだろうか。このアニメが余に滑稽なネガティブキャンペーンである事が失笑を誘い、逆説的にシュールなギャグアニメ観たさにアクセス数が伸びているという事がどうして分からないのだろうか。

　日本においてネガキャンをやりだしたらその組織は正真正銘の末期である。

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