ベン・アフレックはやっぱり馬鹿だと思った

 「アルゴ」見た。1979年のアメリカ大使館占拠事件を元にした実話。事実上の人質と成った6人を映画のロケハンに扮して救出するという実話を元にした話。
 観ていて徐々に怒りが湧いた。なぜならこの映画では徹底的にイラン人を土人、野蛮人として描き、アメリカ人を無辜の犠牲者、として描いているからだ。さすがベン・アフレック、「パール・ハーバー」の日本人描写から進歩がない。
 なぜホメイニがイラン革命を起こしたのか。なぜイラン民衆がそれを指示したのか。パーレビをアメリカが支援したのはなぜか。このへんの説明が全くないまま、「野蛮で馬鹿なイラン人に捕まった6人を救え」という筋書き。たしかに空港でのシーンはハラハラどきどきするが、そうまでしてイラン人を追いやったアメリカの帝国主義には一言の言及もないのか。「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」で感じたアメリカ人の無謬性を疑わないあまりにも傲慢な描写に吐き気。こんな考えだから後の9.11に繋がるんではないのか?その異教徒・イラン人を見下した思想こそが中東に反米、半イスラエルの旋風が巻き起こった温床なのではないのか?
 挙句の果てにこの映画の最大の失点は、カーターを英雄視しているところ。あのう、カーターってこの事件の救出作戦が失敗して大統領再選できなかったんですけど。作戦失敗の経緯はとことん無視である。韓国並に都合の悪い所は黙殺の歴史観か。
 ベン・アフレックは脳みそまで筋肉でできている典型的なアメリカの馬鹿の象徴のよう人間だということだけは分かった。

★★(5が最高)

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