アニオタ的映画批評

「利休にたずねよ」は薄っぺらい日韓友好映画なのか?

一部で話題になっている映画『利休にたずねよ』を観てきた。なぜ話題になっているのかといえば、「作中で描写される歴史の捏造がはなはだしい」というものである。こういった批判をまとめると、 ・ 作中で韓国の国花である槿(むくげ)がフィーチャーされて…

あの糞映画「アルゴ」がアカデミー賞をとった件について

2012年10月30日のエントリーで映画「アルゴ」を酷評したが、この映画が第85回アカデミー作品賞に輝いたというのだから驚きである。 http://d.hatena.ne.jp/aniotahosyu/20121030 「アルゴ」は1979年のアメリカ大使館占拠事件を元にした実話。事実上の人質と…

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」の異常さ

現在絶賛公開中の3D映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」について。観ました。異常です。何が異常かというとそれは虎の可愛さ。3Dの虎が異様に可愛い。堪らない。ミーアキャットも出てくるのだが、これも堪らなくカワイイ。顔をペロペロしたり耳…

敗戦国が創った戦争映画は美しい

(左、2001年版。右、1993年ドイツ版) 2012年の大晦日に、偶然CSをつけたらやっていた、ジャン=ジャック・アノー監督の「スターリングラード」(2001年)を観た。「たぶん面白く無いだろう」と思って今まで意識的には全編観なかった作品だった。本作はいわ…

漫画「東京都北区赤羽」聖地巡礼

以前当ブログで書いた、清野とおる先生の漫画『東京都北区赤羽』の舞台となっている、ずばり赤羽に行ってきました。 清野とおる先生の『東京都北区赤羽』最新?巻まで 本作を読んだ方なら分かるでしょう、本作のトレードマークとなっている赤羽西四丁目の坂。…

ベン・アフレックはやっぱり馬鹿だと思った

「アルゴ」見た。1979年のアメリカ大使館占拠事件を元にした実話。事実上の人質と成った6人を映画のロケハンに扮して救出するという実話を元にした話。 観ていて徐々に怒りが湧いた。なぜならこの映画では徹底的にイラン人を土人、野蛮人として描き、アメリ…

桐島部活やめるってよ評

見なきゃ見なきゃと思って逃していた本作。思い立ったが吉日、先日栃木県の小山市まで行って鑑賞。私の住む松戸市から二時間かけていった甲斐があった。公開からだいぶ立っているので上映館が渋谷と栃木というなんとも凄まじいアンバランス。気分的に栃木へ…

「ハンガーゲーム」評

「歴史的大ヒット」とか大仰な広告につられて見に行った同作。結論から言うと「バトルロワイヤル」の完成度には勝てなかった。最初から二部作、三部作を目指しているらしいが、人物の心象の作りこみが雑。苦労して勝った感じがしない。 唯一、気にとめるのは…

ドラゴン・タトゥーの女〜それでも晴れない北欧の霧〜

さて2月10日から日本公開の、『ドラゴン・タトゥーの女』(ディビッド・フィンチャー監督)を鑑賞する。本作は、2009年のスウェーデン映画で同名小説が原作でもある『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(ニールス・アルデン・オプレヴ監督)の事実上のリ…

ゾンビと原発

さて、拙著『フジテレビデモに行ってみた!』の宣伝記事ばかり書いていると嫌儲厨から嫌われてしまうので、暫く通常運転に戻ろう。皆さんは、2004年に公開された英国のゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』をご存知だろうか。と書いた所で、知っている…

映画『宇宙人ポール』評、そして『未知との遭遇』

宇多丸師匠がシネマハスラーでやたらと高評価していたので、早速『宇宙人ポール』を見に行ってきた。エイリアン=グレイ型の宇宙人ポールとオタク男二人の珍道中を描く、SFコメディロードムービーである。その内容は完成度は高く、SF映画が好きな人にはクス…

映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』批評

さて12月23日公開の、映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』(成島出監督)を見てきたわけだが。2011年度最後を締めくくる大作邦画を早速批評したいと思う。以下は、「ネタバレヲ含ム」のでまだ未観の諸君はご注意されたい。 第一印象は全体的に良く出来た映…

デヴィッド・フィンチャー監督「ソーシャルネットワーク」〜史上最も成功したDT〜

さて去る16日、われらがバルト9にてデヴィッド・フィンチャー監督の最新作・「ソーシャルネットワーク」を鑑賞してきた。かく言う私はデヴィッド・フィンチャー監督の大ファンである。世界的にも名高い、「ゲーム」「セブン」等を初め、「パニックルーム」…

ヤマト、発進せず。アニオタが観た”SPACE BATTLE SHIP”

さて、読者諸兄ももうご存知であろうが、TBSが総力を結集して製作した木村拓哉主演の”SPACE BATTLE SHIP ヤマト”が12月1日から公開されている。無論、アニオタとしてはある種の義務感と共に見に行かざるを得ないわけであるが、先日、某テアトル大森にて鑑賞…

ニコニコアニメ夜話第21回放送(番外編)『アニオタが語るアバター』

さて、気がつけば4月ももう終わりに近づきゴールデンウィークも間近に迫った昨今、読者諸兄は如何お過ごしであろうか。唐突であるが当ブログは原則、月に3〜4回の更新(7〜10日に1回ペース基準)を目処にしているが、4月は当記事を含めて2回しか更新できなさ…

押井守監督『アサルトガールズ』〜フード理論と押井守〜09年末特別更新(2/2)

さて、09年末特別更新に付き日付をまたぎ連続更新である。ゼロ年代も残すところあと20数時間!。やはり09年の締めくくりは押井守監督の最新実写作品『アサルトガールズ』で良いのではないかと思い、12月30日にテアトル新宿にて鑑賞してきた。 *テアトル新宿…

ピクサー最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』〜思い出との決別/アニメ版グラン・トリノ〜(09年末特別更新1/2)

嗚呼、ゼロ年代が終わっていく…。と言うことで読者諸兄はこの年末如何お過ごしだろうか。さて、「マイマイ新子」の余熱も冷めやらない年末でありますが、ゼロ年代の終焉までこのまま無為に終わるアニオタ保守本流では御座いません。と言うことで、年末も年末…