「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」の異常さ

現在絶賛公開中の3D映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」について。観ました。異常です。何が異常かというとそれは虎の可愛さ。3Dの虎が異様に可愛い。堪らない。ミーアキャットも出てくるのだが、これも堪らなくカワイイ。顔をペロペロしたり耳を舐めたり一緒にお風呂に入ったりしたい。基本、海も動物も全部CGなのだが本当に素晴らしい技術。動物好きには堪らない一作である。

さて作品の出来はというと、さすがアカデミー賞11部門ノミネートだけある。「アカデミー賞最有力」は頷く。実は本作、観た人ならわかるのだが「虎と漂流する話」ではない。そんな簡単な話ではない。

人は、世界は、驚くほどの残酷さと残虐さで満ちていると思う。時としてそれを率直に表現するのがためらわれる程に。神も仏も居やしないのか。そう絶望する人を我々は責められようか。しかし、本作が示す「それでも人に、微かな希望がある」というテーマに私は涙した。

繰り返すがこれは少年が虎とサバイバルをする話ではない。我々はここまでの経験はしなくとも、自分の住む国の中にすら凄惨な残酷があることを知っているし、そしてまだ知らぬ地獄の存在も予感することができる。ただ、そこに寄り添う希望の存在にも私は目を向けたい。結局、光は人の中にしか無いのだ。

本作のタイトル、「ライフ・オブ・パイ」に2つの意味がある。主人公の少年がパイという名前なのでその伝記。もうひとつは円周率のパイだ。割り切れぬ、延々に答えのない物語。その一方で、ずっと続く、終わりなき旅の物語でもあろう。私は人の持つ、か細くも限りなく続く希望の光を本作で信じた。

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