あの糞映画「アルゴ」がアカデミー賞をとった件について

 2012年10月30日のエントリーで映画「アルゴ」を酷評したが、この映画が第85回アカデミー作品賞に輝いたというのだから驚きである。
http://d.hatena.ne.jp/aniotahosyu/20121030

 「アルゴ」は1979年のアメリカ大使館占拠事件を元にした実話。事実上の人質と成った6人を映画のロケハンに扮して救出するという話である。以下、10月30日のエントリーを一分引用して構成しよう。

 この映画を観ていて徐々に怒りが湧いた。なぜならこの映画では徹底的にイラン人を土人、野蛮人として描き、アメリカ人を無辜の犠牲者、として描いているからだ。さすがベン・アフレック、「パール・ハーバー」の日本人描写から進歩がない。

 なぜホメイニがイラン革命を起こしたのか。なぜイラン民衆がそれを指示したのか。パーレビをアメリカが支援したのはなぜか。このへんの説明が全くないまま、「野蛮で馬鹿なイラン人に捕まった6人を救え」という筋書き。たしかに空港でのシーンはハラハラどきどきするが、そうまでしてイラン人を追いやったアメリカの帝国主義には一言の言及もないのか。「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」で感じたアメリカ人の無謬性を疑わないあまりにも傲慢な描写に吐き気。こんな考えだから後の9.11に繋がるんではないのか?その異教徒・イラン人を見下した思想こそが中東に反米、反イスラエルの旋風が巻き起こった温床なのではないのか?

 挙句の果てにこの映画の最大の失点は、カーターを英雄視しているところ。あのう、カーターってこの事件の救出作戦が失敗して大統領再選できなかったんですけど。作戦失敗の経緯はとことん無視である。韓国並に都合の悪い所は黙殺の歴史観か。

 ベン・アフレックは脳みそまで筋肉でできている典型的なアメリカの馬鹿の象徴のよう人間だということだけは分かった。のにもかかわらず、今回本作が作品賞に輝き、会場ではオバマ大統領夫人が作品賞受賞を読み上げるという「政治的」なパフォーマンスすら加わっている。醜悪の度合いが増している。明らかにアメリカの対イラン政策を反映したもので、本日の朝日新聞でも「史上最も政治的なアカデミー賞であるとイラン当局が皮肉った」と出た。

 アカデミー賞が政治に屈したのか、はたまた別の理由があったか。勿論、映画作品を政治的な色眼鏡で批評するのは邪道である。邪道ではあるがしかし、それを覗いたとしても「アルゴ」は映画的にそもそも陳腐である。6人の軟禁状態に置かれた米国人が映画の役者に扮するために色々と嘘の脚本を暗記したりするのだが、結局それをしようとしまいと空港での脱出劇は一か八の運否天賦で、アフレック扮するCIAの工作員が何のために演技指導を熱心に施したのか意味がわからない。三谷幸喜だってこのへん、もっと面白おかしく脚色するはずだが、それもない。結局、「イラン人の馬鹿を運良く騙した話」それ以上でもそれ以下でもない。

 特定の国や国民をこれほどまでに馬鹿にし、卑下するような描写はそもそもアカデミー賞の理念に反するのではないか?こんな糞映画が作品賞を記録するとは、今回のアカデミー賞、後世の歴史家が「世紀の誤審」と記憶するに違いない。

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