高まる期待〜東のエデン劇場版総集編air communication〜

　さて、気がつけば早くも『第九』が聞こえてきそうな季節となった昨今、読者諸兄はいかがお過ごしであろうか。今月（11月）と言えば、言わずもがな月末に2009年最後にして最大となるイベントが待ち構えていると言うことは、読者諸兄にとって最早何の説明も必要ないほどの共通認識であろう。

　そう、11月28日公開の『東のエデン劇場版第一作』である。とは言え、まだ公開まで1ヶ月弱もある訳であり、これでは神山健治監督やプロダクション・アイジー（以下ＩＧ）の熱狂的ファンのみならず本作の劇場公開を待ちわびている１億同胞にとっては蛇の生殺しであると言えよう。そこで、われらがＩＧは粋な企画を用意してくれていた。

「―劇場版公開前に本編のおさらいをしておきなさい」

　と言うわけで公開されたのが『東のエデン劇場版総集編 air communication』である。管理人はこの程遅ればせながら総集編を観に新宿の『テアトル新宿』へと足を運んだのである。（テアトルは〜我々文化の母でありぃ〜以下略）

　劇場に着くなり上記の立て看板が出迎えるわけであるが、そうこうしているうちにも劇場の前を通りかかる大学生風の女子3人組が「あっ、東のエデンやってるよ〜」などと指を刺しながら通り過ぎていく。この時点で本作はアニメやアニオタとは縁遠い一般人民に広く認知されていると言う事実を再認識していざ地下の劇場へ。寒風吹きすさぶ月曜日の夜と言うのに劇場の中は、女子二人組・若いカップルの何と多いことか。本作のヒロインに森美咲というのがいるが、劇場に来ている女子はみんなこんな感じ。
　
　管理人は女の子のファッションについては大変申し訳ないが豊富な語彙を持たないので、”きれいめカジュアル”という表現しか出てこないのは何とも恥ずかしい限りであるが、そういう風な女子が非常に多かった。やはりキモオタアニメにはキモオタが、東のエデンには”東のエデン風”のそういう人種が集まるのであろう。所謂「腐」とか「コスプレ」とか「同人」「コミケ」等と言うオタ用語とは無縁の世界が広がっている。これ自体は非常に素晴らしい事であると管理人は思うのであるが、忘れもしない2004年公開の押井守大監督の世界史的傑作「イノセンス」劇場公開時の、軍オタ・押井オタだらけの劇場ロビーと比べれば同じＩＧ作品でここまで客層に違いがあると言うのは興味深く、嬉しいのか悲しいのか良くわからないと言ったところである。

　肝心の内容であるが、そもそも東のエデンのテレビシリーズ自体、11話しかなく、これを正味1話23分として掛ける事の11＝253分がテレビシリーズの全体尺である。それを今回、総集編として120分上映しているので、実際のところテレビシリーズの半分近くを劇場で観る事ができるという古今東西の総集編史上類例を見ないコストパフォーマンスの良さを誇っており、総集編上映と言うか最早『勉強会』と化しているが、劇場版までの繋ぎとしてはこれほど良質のものも無いであろう。

　一つだけいえることは、私は間違いなく劇場版2作の成功を確信した。そして、改めて劇場の大スクリーンで本作を観たとき、作画・美術の美しさはもとより、本作のアニメ作品としての完成度の高さに酔いしれることが出来た。管理人は例によってタダ券にて入ったが、総集編と言うことで一般1,300円で上映されている。（詳細はテアトルＷＥＢサイト等で）興味のある読者諸兄はぜひとも、劇場版を観るまえの『勉強会』と思ってこの機会にご鑑賞されたい。

――――――――――ニコニコアニメ夜話から業務連絡―――――――――――――

ニコニコアニメ夜話＃９「王立宇宙軍オネアミスの翼」
・アニオタ保守本流×中津川昴

ニコニコアニメ夜話＃１０「ＡＫＩＲＡ」
・アニオタ保守本流×中津川昴

それぞれ10月31日に収録いたしました。現在編集中、公開まで今しばらくお待ちください。
――――――――――ニコニコアニメ夜話から業務連絡―――――――――――――

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

☆アニオタ保守本流はブログランキング参戦中＊木戸銭代わりにクリック願います！↓↓