ノイタミナ渾身の大傑作!『四畳半神話大系』をみよ!


 GWも終わり、廃墟のベトナムを「ミッキーマウス・マーチ」を歌いながらただただ行進すると言うS・キューブリックフルメタル・ジャケット』のラストばりの虚脱感を感じつつ、読者諸兄はポスト・GWを如何様にお過ごしであろうか。

 さて、当ブログでは再三再四フジテレビ系列におけるノイタミナを我が国アニメ地上波放送に於ける最後の良心であり最後の砦である旨、盛んに喧伝してきたがここに来てまたもや異色の大傑作が現出しようとしている。

 

 そう、『マインド・ゲーム』等で名高い、天才・湯浅政明監督地上波初のTVアニメシリーズ『四畳半神話大系』が大変熱い状況に成っていることをアニオタ保守本流的には書かずにはおれないであろう。この作品は、森見登美彦氏の同名小説が原作であるが勿論のこと管理人は此れを読んではおらぬ。おらぬが、1話完結パラレルワールド形式の本作の極めて実験的な構成、及び秀逸な画面演出の妙味は特筆すべきものがあると言えよう。

 昔、バタフライ・エフェクト(エリック・ブレス監督)というパラレルワールドSF設定で大ヒットした米映画があった(大ヒットしたからそのあと続編が3まで作られている)が、「もしもあの時自分があの選択肢を選んでいたらそう成っていたであろう世界」を等間隔に見せて行く手法は、例えば日本であれば世にも奇妙な物語の前企画であったフジテレビの(これもフジテレビか!)TVシリーズ『if もしも』が名高い。『if もしも』は、パラレルワールドというか、AとBのどちらかを選ぶことにより劇的に変わる主人公の運命を2部構成で見せていく手法で、知る人ぞ知る伝説のカルトTVシリーズである。ちなみに本シリーズに於ける「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」は岩井俊二監督の出世作であり、岩井通ならば必ず観ているであろう。*因みに管理人は、「神がくれる幸運、分割でもらうか、一括でもらうか」の挿話が大好きである。

 ま、そんな事はともかく、本作『四畳半神話大系』も上記に挙げた『バタフライ・エフェクト』及び『if もしも』の基本的構成(あの時こうしていればこう成っていたであろう未来)を1話完結で描いていく手法が採用されている。具体的に言えば、本作では主人公”私”が大学生活において違った部活動への入部をしていたらこう成っていたであろう未来が描かれている(現在のところその全てが空振り、バッドエンドに終わっている)。この構成はアニメに於いては極めて斬新な試みであり、近年稀にみる完成度を誇っていると断言して良いだろう。今後本シリーズがどうなっていくのが、果たしてシリーズのラストでハッピーエンドが待っているのかいないのか、そしてそれはどのようになるのか、片時も目が離せない今一番注目の作品である。

 
*本作のキーマンになる怪人・小津。水木しげる先生の妖怪を思わせる風貌であるが、回を重ねるごとに可愛らしく見えてくるから不思議だ。

 
*左)本作に登場するマスコット?もちぐまん』と右)今敏監督『妄想代理人』のマスコット『マロミ』は流石マッドハウスだけあって既視感を感じずにはいられない(笑)。マロミの方は鷺月子の妄想で喋ったり歩いたりするが、もちぐまんは今後の展開の中で喋るのだろうか?


 そして更に特筆すべきは作品内に登場する京都市内の地理である。本作の舞台は京都大学であり、主人公を含め登場する関連人物は皆京大生という設定であるが、勿論管理人は京大生では無かったが、京都で一度でも暮らしたことのある、或いは大学生活を送ったことがある者であるならばムフフと唸ってしまう地理ネタ地域ネタが散りばめられている。繰り返しになるが原作を読んだことはないが、この辺り原作に忠実なのだろうと類推する。また、これも原作に忠実なのだろうが,登場人物たちの台詞がそこはかとなく文語・昭和調「君は〜なのだろうね」「〜ではありませんか」「〜である」であると言うのもまた極めて一興であると評価せざるを得ないのである。

 いやはや凄まじい傑作がまたもノイタミナに誕生したようである。迷うこと無くオススメだ。

 
*京都の地理に明るい者ならばムフフと唸る作品舞台(らき☆すた聖地巡礼があったのならば本作でも京都へ聖地巡礼者が参ってもいいはずではないか!?)

*かの有名な”五山の送り火”が再現される。嗚呼,懐かしきかな大学時代…


*美術センスも流石際立っている湯浅政明監督。




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